外反母趾
原因
外反母趾になりやすい開張足(かいちょうそく)の骨格を親から受け継ぐ場合
開張足とは、土踏まず部分の縦アーチに対して、足裏の指の付け根部分の横アーチが平らになった状態をいいます。子供たちの中にも外反母趾が見られるのは、もともと外反母趾を生じやすい足の骨格を持っているからだそうです。
しかし、外反母趾そのものは後天的なもので、これからの対応次第で正常に回復出来ます。
先が細いハイヒールなどの靴を履くことよって外反母趾になる場合
日本では下駄や草履を履いていた時代には、外反母趾が問題になることはありませんでした。このような履物の問題と同時に、アスファルトなど現代の床や地面がとても硬くなったことが、足へ悪影響を及ぼし、外反母趾を起こす原因のひとつだといわれています。
足のアーチを保つ結合組織が女性ホルモンの関係で弱くなりその結果アーチが低くなって開張足となり、外反母趾を生じる場合
外反母趾の男女の発生比率は1対10で圧倒的に女性が多いとされています。これは靴のせいだけではなく、女性ホルモンが関係しているようで、女性が初潮を迎える13~14歳頃と、閉経を迎える40歳代後半から50歳代にかけてのこの2つの時期に外反母趾が非常に多く発生するといいます。
慢性関節リウマチ、脳性小児マヒといった病気に伴って外反母趾が起こる場合
外反母趾の原因には開張足が大きく関わっているのです。直接の原因は開張足によって親指側の中足骨(指の骨から甲部分の骨との間にある並列した5本の骨のこと)が内反(内側に曲がる)することと理解してください。
対策
足の運動
骨と骨との間の靭帯を強化し、横アーチを形成するのに有効な運動です。
つまみ上げる時に中足骨が丸い橋の形になって、足底にくぼみが出来る。
これも横アーチの形成に有効です。
この二つの運動を数分間でもいいから毎日続けるのです。
歩き方を変える
かかとからしっかり着地し、そのかかとに体重を乗せることで前足部への負担を軽くするのがポイントです。装具を使う
足の横のアーチ形成を助ける中足骨パッドを靴に装着するのがいいです。ただし、信頼出来る補正技術を持った人に依頼することが大事です。
外反母趾の初期段階な、足の指の間にガーゼなどを挟む方法も良いでしょう。
靴を変える
これも非常に大切なことで、鼻緒のあるサンダルなどがいいのですが、仕事履きではそうもいかないでしょう。そこで、母趾が外側に曲がらないような、出来るだけ内側にふくらんでいるような靴、ヒールの高さが3センチ以下の靴を選ぶことです。
ひも靴が基本で、靴を脱ぐときはひもをほどいてから脱いで、履くときはかかとをぴったりと合わせて、ひもをしっかり結びます。